前向き×分析×政策で生きる

メーカー勤務、中国駐在中のアラサー男。「前向き×分析×政策」の仕事へ大きく転換させようと画策中

これからの人生の指針となる予感の本。泉谷閑示著「仕事なんて生きがいにするな」

今回は泉谷閑示さんという精神科医の「仕事なんて生きがいにするな ー 生きる意味を再び考える ー」という本の感想になります。

私は中国での仕事で心が折れたのを機に、自己理解にのめりこみ、自分が本当にやりたいことが何かを考え、それに向けて歩みを進めているが、周りからは「目の前の仕事をとりあえず続けることも大事」とか「石の上にも三年」とか「お金を稼げる仕事が大事」というような声が多く、あまり「やりたいことで生きる」という考え方が肯定されていない世の中だと思う。この本は、「やりたいことで生きる」というような生き方を肯定し、さらにどう生きるべきかのヒントを与えてくれる一冊です。

 

ハングリーモチベーションで生きる時代の終焉

著者曰く、これまでの時代はハングリーモチベーションによって、働くことで豊かになり、自己実現を成すという考えであったが、モノで溢れる豊かな社会となり、若者が働く意味、生きる意味を考えるようになった。これは一昔前では中年期の悩みであったものが、今は10代、20代で悩むようになり、これが「新型うつ」にも繋がっているという。このような悩みの人たちに、「考えずにまず働け」と言っても何も解決しない。

 

ギリシャ時代と現代の価値観の違い

ギリシャ時代は、労働は奴隷がやることで、軽蔑されるものであったが、それが近現代では、労働が賛美されるものとなった。これはプロテスタントの考え方が由来となっており、神への奉仕というものが、中世までは禁欲的な生活であったのに対し、プロテスタントは、自分の勤めを果たす「天職」という概念を作った。これが現代は資本主義と相まって、勤勉が美徳の世の中になったという。

 

労働の中の「生きる喜び」

哲学者のハンナ・アーレントは、労働を美徳とする価値観に批判する一方で、労働の中に「生きる喜び」を得られる側面もあるという。「生きる喜び」が何かはあまり言及されていなかったが、私はこれは、仕事を通じた「他者との関わり」や「他者からの感謝」、「没頭できること」の3つかなと思うが、これは人それぞれの価値観によって違うのかもしれない。その自分の価値観を満たすことが、満足の仕事であるのだと思う。

 

ニーチェの「小児」

自分の価値観をどう見つけるか。筆者はこれについて、自分の心に従うことだと言っている。ニーチェ曰く、人間の理想状態は「小児」のようだという。頭で考えず、好奇心に従った状態である。小児のようになるには、日常に遊びを取り戻すことだという。例えば、食について、頭で栄養を考えたりせず、心が惹かれるものを食べるとか、行く場所を計画せずに、即興的に行動することから始めることだという。

 

キリギリスとして生きる

アリとキリギリスの話は、楽しく歌を歌っているキリギリスに対し、冬に備えて熱心に働いているアリを比較し、アリの勤勉さを称える内容であるが、キリギリスのように目の前を心のままに生きることが大事だと筆者は述べる。

 

以上、頭で考えず、心が向くままに生きることの大切さを改めて感じた本でした。キリギリスとしてこれから生きていきます。

(ChatGPT4作)